【個人の税務調査】調査終了手続きのパターン
3つの終了パターン
税務調査の終了には3つのパターンがあります。
1つ目は、調査の結果申告内容に誤りがなく是認されるパターンです。
間違っていないため修正するところもなく追加の税金も発生しません。
この場合は、「更正決定等をすべきと認められない旨の通知書」(いわゆる是認通知書)という書面が交付されて終了です。
一番良いパターンです。
2つ目は、誤りがあると指摘されそれを認めて納税者側で修正申告するパターンです。
調査官から誤りの内容の説明を受けた後、修正申告の勧奨が行われますので内容に納得のうえ自ら修正申告を行います。
実際の調査ではこのパターンが一番多いです。
最後3つ目は、誤りがあると指摘され修正申告の勧奨が行われたにも関わらず、納税者側が認めず応じないパターンです。
この場合は、納税者側が認めず修正申告もしないため税務署長により更正がなされます。
この更正とは税務署側で申告の誤りを正すということです。
この場合の多くは、納税者側は誤りを認めておらず処分に不服があるという状態ですので不服申立手続に移ることもあります。
修正と更正の違い
申告内容が正しい是認パターンは何ら問題ありません。
違いが分かりにくく理解すべきは修正と更正です。
イメージ的には更正処分の方が納税者に不利のような感じを受ける方も多いですがそうではありません。
追徴税額が発生する場合、どちらによっても税額は同じですし加算税の額が変わることもありません。
更正処分になったからといって税務署から不当な扱いを受けることもありませんし税額が増額されるといったこともありません。
大きな違いは、不服申立てが出来るかどうかです。
不服申立てとは、税務署側の処分や指摘に納得がいかないため国税不服審判所などに訴えを起こすことです。
更正処分の場合は、税務署側で申告内容を正すことになりますので、それに納得できない時は不服申立てを行い争うことができます。
一方、修正申告の場合は、指摘事項を納得のうえ自ら誤りを正した申告書を提出しなおしているため不服申立てを行うことは出来ません(更正の請求は出来ます)。
実際の調査現場では、修正申告を行って調査終了となるケースがほとんどです。
終了に向けて納税者側と税務署側で着地点を見つけていくため、更正処分に至るケースは稀です。
まとめ
今回は、税務調査終了手続きのパターンについてお伝えしました。
パターンは、申告是認、修正申告、又は更正(決定)処分の3つです。
特に修正と更正の違いを理解しておく必要があります。
実務的には修正申告により終了となるケースがほとんどです。
修正に応じる場合は、その後不服申立てを行うことは出来ないことを理解した上で修正申告する必要があります。
どうしても納得できない場合は更正処分を受けるという選択もありますので、良く考えたうえでの選択が必要です。
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