修正申告の強要

税務調査の終了パターン
税務調査において誤りを指摘された場合、調査の終わり方として2つのパターンがあります。
1つは、納税者側が誤りを認め、否認指摘に納得したうえで修正申告書を提出する場合です。
実務上、調査は修正申告書の提出により終了することがほとんどです。
もう1つが、税務署側で行う更正処分です。
更正とは税務署側で税額を決定することで、こちらが原則的な方法となります。
原則は税務署側で行う更正ですが、納税者側で誤りを認める場合は修正申告してもいいですよといった形で修正申告の勧奨が行われます。
この勧奨に基づいて、修正するという選択をする場合は修正申告書を提出します。
修正申告をしないと調査が終わらないと思われている方も多いのですが、あくまで選択肢の1つであり修正申告するかどうかは任意です。
税務署側の指摘に納得できない場合は、原則通り更正してくださいと伝えることもできます。
修正申告を行うとそれに対し不服申し立て等は出来ないという大きなデメリットがあります(更正処分の場合は出来ます)。
本来の手続き、両者の違いを正しく理解し判断を行うことが大切です。
修正申告の強要
上記でお伝えした修正申告の勧奨は、国税通則法第74条の11第2~3項に明確に規定されており、この勧奨は行政指導に分類されます。
また、国税庁のサイトに「税務調査手続に関するFAQ(一般納税者向け)問25」という質疑応答があり、そこにも明確に記載されています。
ポイントとして、
・この修正申告の勧奨に応じるかどうかは、あくまでも納税者の方の任意の判断。
・修正申告の勧奨に応じなかったからといって、修正申告に応じた場合と比較して不利な取扱いを受けることは基本的にない。
という内容となっています。
修正申告より更正の方が、増差税額が高くなったり加算税が高くなることはなく、修正に応じないことにより不利益はありません。
それにも関わらず、調査の現場において調査官から、修正に応じないと「調査が長引きますよ」「税額が高くなりますよ」「反面調査に行きますよ」「仕入税額控除を認めませんよ」「5年、7年にしますよ」などの発言があった場合には対応が必要となります。
この発言は、修正に応じないと納税者側が嫌な方(長引く、税額が多くなる、反面調査、税額のインパクトが大きい消費税法の論点、調査期間が延びる)に進みますよ、進むこともできるんですよという意図ととらえることができます。
その場合、修正申告の勧奨ではなく強要として、下記行政手続法に違反する違法な調査として抗議が必要で、場合によっては調査の打ちきりを求めることも必要でしょう。
行政手続法第32条(行政指導の一般原則)
2 行政指導に携わる者は、その相手方が行政指導に従わなかったことを理由として、不利益な取扱いをしてはならない。
抗議する場合は口頭よりも書面で、抗議先はまずは調査官の上司にあたる統括官、状況によっては税務署長となります。
まとめ
今回は調査終了時のパターンとして、更正処分と修正申告についてお伝えしました。
まずは2つの違いをおさえ、修正申告しないという選択肢があることを理解することが必要です。
そして、特に両者平行線で揉めている調査において、修正申告の勧奨ではなく強要が行われた場合、行政手続法第32条に反する違法調査である旨伝え、場合によっては調査の打ちきりを主張することも大切です。

