【税務調査の事例】言われた通りにしたは通じない

その処理の理由
調査のご依頼を受けて初めてお会いする時、調査に向けての打合せの際、実際の調査の時など、その処理を行った理由やその選択をした理由の話になることがあります。
その中で、税務署に聞いてその通りにした、同業者に聞いてその通りにした、といった返答を受けることが多いです。
ただ、その処理で問題がないこともあれば、明らかに間違っているときもあります。
その場合、申告書を見ただけで分かることが多いです。
私が気付くということは調査官も気づきますし、恐らく実地調査前の申告書を確認している段階で気が付いているはずです。
当然、実地調査時に指摘があり最終的には修正することとなります。
誰かが言っていたは通じない
※守秘義務の関係上、一部内容を変えています。
誤った処理に対して調査官から指摘があった場合、税務署に聞いたらそう言われた、同業者や知人に聞いてそうした、周りはそうしている、と返答してもその処理が明らかに間違っている場合はそのまま通ることはありません。それが税務署に聞いた内容だとしてもです。
昨年の実際の調査時によくあった事例として、消費税の簡易課税の区分誤りがありました。
特に建設業での第3種と第4種の区分誤りです。
消費税の計算方法として簡易課税を選択している場合、調査では必ずその区分を確認されます。
そしてその区分は消費税の申告書を見れば確認出来るため、調査官も実地調査前に必ず確認してくるはずです。
その区分が間違っていると思われる場合にその選択をした理由をお伺いすると、税務署に聞いてそう言われたからずっとそうしている、周りの同業者もそうしているから、といった返答がありました。
実地調査の時に、税務署に尋ねた上でそうしていると事情を説明しても、そのまま通ることはありません。最終的には修正することとなります。
いつどのように相談して誰がその回答をしたか記録が残っていない、税務署は帳簿などを精査した上で回答しているものではない、一般的な回答を伝えただけかもしれない、調査は誤った処理を正しくする意味もあるため間違っている場合は修正の必要がある、などといった理由で間違ったままそのまま通ることはありません。
また、周りの同業者が誤った処理をしていてもそれは調査で指摘されていないだけとなります。
このように誰かに尋ねたり相談したとしても、その最終判断は納税者側にあり、その結果(責任)も納税者側にあるとされます。
区分を間違えているケースでは、ほとんどの場合3年ではなく5年間分間違えていることとなりますので追徴額も大きくなりがちです。1つ1つの判断や選択は慎重に行う必要があります。
まとめ
今回は実際の調査であった簡易課税の業種区分の誤りを例に、1つ1つの判断の重要性についてお伝えしました。
誰かに尋ねる場合、1つ1つの事実や前提によってその回答も異なってきます。
一般的な質問の場合はその回答も一般的となることが多く、それをご自身の申告に当てはめることが出来るかどうかは慎重に判断する必要があります。
誤った処理は間違いなく調査で指摘され、そのまま通ることはありませんので注意が必要です。