調査に選定されやすい申告書

毎年30件以上、個人の方から税務調査のご相談を受け、立ち合いを行う中で様々な申告書を拝見します。


調査対象となる申告書にはいくつかのパターンがありますが、今回はその中で私が実際に多いと感じる3つのパターンをご紹介いたします。

・利益が極端に少ない

・売上が900万円前後で毎年推移

・還付申告


もちろんこれら以外にもパターンはいくつもありますが、その中で多いものが上記3パターンです。

なぜ対象になりやすいのか

まず、利益が極端に少ない場合ですが、売上か経費のどちらかが間違っている、または両方間違っている可能性が高いです。

その確認として調査が実施されることとなります。


個人事業主の場合、基本的には売上から経費を差し引いた利益の金額から1年間の生活費を捻出することになり、その額が少ないと生活が出来ないはずです。

この場合、売上が除外されていたり、架空や水増し経費の計上、プライベートの支出が多額に経費計上されていることが多いです。


次に、売上が900万円前後で毎年推移しているパターンですが、消費税が発生しないように売上が1,000万円以下に抑えられているケースです。


毎年売上が100万円~300万円少なく申告されているケースが多いですが、中には毎年1,000万円以上少なくなっている場合もあります。

この場合、5年~7年間分の消費税が一度に発生するため負担額が多くなりがちです。


最後に、所得税や消費税が還付になっている申告です。


会社員の方が副業の赤字と給与所得を相殺して給与分の源泉所得税が還付になっているケース、事業所得で発生している源泉所得税が全額還付になっているケース、事業の利益がマイナスになったり多額の設備投資をしたことにより消費税が還付になっているケースなどいくつかのケースが考えられます。


いずれの場合も、税務署は還付する側となるため、その分確認が必要になったり、場合によっては調査に発展するケースもあります。

還付申告をしている会社員の方へ調査が行われるのは、秋より春の時期が多いというのが実際の印象です。

まとめ

今回は、調査に選定されやすい申告パターンとして3つをご紹介いたしました。


いずれも単年ではなく、毎年同じような申告をされている場合が多いため、5年に延びる可能性が高く、特に消費税が関係してくると負担額が大きくなります。

調査でごまかしは通用せず、調査の連絡があった後に細工をしたりするのは逆効果となり、どんどん悪い方向に進んでいきます。


当初から適切な申告を行うことが一番ですが、大きな間違いが分かっている状態で調査となった場合、初期にいかに適切な対応をとることができるかどうかがポイントです。